かみ推しレシート――“手元に残る”が来店動機をつくる

コラム

11月4日、東芝テックが“推し活”の応援広告をレシートに印字できる「かみ推しレシート」を、クーポン発券クラウド「テッククーポンデリ」経由で全国展開すると発表した。関西中心で提供されてきた仕組みが、今後はより広い地域・店舗で実装される。応援広告のプラットフォーム(例:センイル系サービス)と連携し、レジの印字枠を広告媒体として活用するのが骨子だ。買い物の“証拠”に、推しを祝う“気持ち”を同居させるこのフォーマットは、店頭販促の設計に新しい選択肢をもたらす。


何が新しいのか(紙×推し活×POS)

  • 紙が残す余韻:レシートは財布やデスクに“残る”メディア。見返すたびに当日の気分・体験が立ち上がる。そこに誕生日やデビュー周年のコピーが載れば、購入の事実が小さな記念品へと変わる。
  • 来店トリガー化:印字“解禁日”を記念日と同期し、その日に行く理由を創る。店内POPやSNS告知と合わせれば、来店のピークを設計できる。
  • 低摩擦の導入:既存POSの印字枠を使うため、什器追加や大規模オペ変更が不要。チェーン全店・地域限定・曜日や時間帯限定など、運用粒度の調整も容易。

体験設計の型(最小構成で効かせる)

  1. トリガー:誕生日、デビュー日、周年、コラボ開始、ホーム戦など――“行く口実”を先に決める。
  2. クリエイティブ:ヘッドラインは全角12〜20字目安+象徴アイコン+QR。禁則処理と行数の上限を守り、右下にQRを固定すると視線誘導が安定。
  3. 拡散導線:ハッシュタグは1〜2個に厳選。店内POPで“撮影見本”を提示すると投稿率が上がる。
  4. 回収導線:QR遷移は特典受取→次回来店予約→SNSシェアのワンストロークに。途中離脱を最小化する。

業態別の使いどころ

  • 食品スーパー:記念週に、ケーキ・花・推し色雑貨など対象SKU連動。QR先でレシピ動画やカラーコーデ提案。
  • コンビニ/ドラッグ:小額決済でも手に入る“祝レシート”。深夜帯の来店動機に効く。
  • 外食:コラボメニュー注文で限定デザイン印字。退店後のSNS投稿を自然に後押し。
  • 商業施設:館内3店舗のレシート合算で“解放デザイン”を配布し、回遊と購買を両立。
  • 観光・自治体:祭やイベント期間に“来訪の証”として配布。帰宅後のQRで二次消費に接続。

測定は“現場語”で回す

  • 週次KPI:①印字枚数、②QR到達率、③対象SKU売上リフト、④SNS投稿量・到達、⑤再来店率。
  • すぐ効くA/B:語尾(祝う/誘う)、QR位置(右下固定)、撮影しやすい余白の有無。
  • 学習サイクル:記念日→リキャップ→次の記念日で高速反復。勝ち文言・勝ち時間帯をテンプレ化し、横展開する。

レシートならではの制作注意

  • 可読性最優先:領収情報と広告の視覚分離(罫線・小見出し)を徹底。紙幅・行数・にじみを想定して文字数を固定。
  • 保存される設計:切り取り点線/小さな記念ロゴ/日付強調でコレクション性を高める。
  • 権利と審査:肖像・二次創作・表現のブランドセーフティ基準を事前に明文化。NG例を現場共有し、差し戻しを減らす。

期待できる波及

推し活はコミュニティが原動力だ。紙の手触りが加わることで、受け取る→撮る→載せる→語る、という所作が自然に回る。会員IDやアプリと紐づければ、来店→印字→投稿→次回来店の循環が軽い力で続く。全国展開フェーズに入った今、地域の祭・クラブ・ご当地IPと結び付けることで、街単位の回遊設計に広がる余地が大きい。

まとめ

レシートの証拠性と推し活の祝祭性を一枚に束ね、既設POSの印字枠で運用できるのが強み。全国展開でスケール前提の実装が現実になり、紙×デジタル×コミュニティを横断する最新の媒体として育つ条件がそろった。

(広告担当)

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