2026年(令和8年)2月からスタートする令和7年分の確定申告は、これまでの常識が通用しない「大改正」の年となります。物価高対策としての「減税」が実施される一方で、申告書の項目が追加され、さらにe-Tax(電子申告)の鍵となるマイナンバーカードの有効期限問題も浮上しています。
「自分は毎年同じだから大丈夫」と思っている方も、今年は早めの準備が欠かせません。この記事では、2026年確定申告の重要ポイントを徹底解説します。
目次
1. 最大の目玉:所得税の「控除額」が大幅引き上げ
今回の改正で最も大きなトピックは、働く人の手取りを増やすための「基礎控除」と「給与所得控除」の引き上げです。
基礎控除が最大95万円に!
これまで所得税の基礎控除は一律48万円(所得2,400万円以下)でしたが、2026年提出分からは所得に応じて段階的に引き上げられます。
- 合計所得金額200万円以下の方: 基礎控除が95万円に(従来の約2倍!)
- 合計所得金額2,400万円以下の方: 基礎控除が58万円に(10万円アップ)
これにより、いわゆる「103万円の壁」は、給与所得控除の引き上げ(55万円→65万円)と合わせて、実質的に「160万円の壁」へと大幅に拡大されました。
特定親族特別控除の新設
大学生世代(19歳以上23歳未満)の子どもを扶養している世帯に朗報です。新たに「特定親族特別控除」が創設されました。
子どもの年収が一定(給与収入188万円以下)であれば、親の所得から最大63万円を控除できる仕組みで、教育費負担が重い世代の税負担が大きく軽減されます。
2. 申告書のデザイン・項目が変更に!
制度が変われば、書式も変わります。2026年提出用の申告書には、以下の新しい項目が追加されています。
- 「特定親族特別控除」欄の新設: 前述の新制度に伴い、扶養親族のセクションに新たな記入欄が設けられました。
- 控除額の自動計算に注意: 基礎控除額が所得によって変動するため、手書き派の方は計算ミスに要注意です。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」などのデジタルツールを使えば、所得を入力するだけで最適な控除額が自動算出されるため、これまで以上にデジタル利用が推奨されます。
3. 要注意!マイナンバーカードの「有効期限」と「電子証明書」
2026年は、マイナンバーカード普及から時間が経過し、「電子証明書の有効期限切れ」を迎える人が続出すると予想されています。
「カード」と「証明書」の期限は違う
- カード自体の期限: 発行から10回目(18歳未満は5回目)の誕生日まで。
- 電子証明書の期限: 発行から5回目の誕生日まで。
e-Taxでログインや送信を行う際に必要なのは、この「電子証明書」です。カードの表面に記載された有効期限内であっても、中の証明書が切れているとe-Taxが使えません。
期限が切れるとどうなる?
有効期限が切れると、スマホやPCからの申告ができなくなります。更新には市区町村の窓口へ足を運ぶ必要があり、2月・3月の混雑期は予約が取れない、あるいは数時間待ちという事態も想定されます。
今すぐカードの有効期限通知が届いていないか、またはスマホのマイナポータルアプリ等で期限を確認しておきましょう。
4. 青色申告の「75万円控除」とデジタル化の波
個人事業主の方にとって、青色申告特別控除の条件も厳格化・優遇化が進んでいます。
- e-Tax + 優良な電子帳簿保存: 控除額が最大75万円に(旧65万円からアップ)。
- 紙での提出: 控除額はわずか10万円。
紙で提出するだけで「65万円分の控除(経費)」を捨てることになります。税率が20%の人なら、これだけで13万円もの損をしてしまう計算です。
5. 2026年 確定申告のスケジュール
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 還付申告の受付 | 2026年1月1日〜 |
| 所得税の申告期間 | 2026年2月16日(月)〜 3月16日(月) |
| 振替納税(所得税) | 2026年4月23日(木)予定 |
※例年の期限は15日ですが、2026年は15日が日曜日のため、翌16日(月)が期限となります。
まとめ:損をしないための3つのチェックリスト
2026年の確定申告をスムーズに終えるために、今すぐ以下の3点を確認してください。
- マイナンバーカードの「電子証明書」の期限が切れていないか?
- 「103万円」を超えて働いた家族が、新しい控除の対象にならないか?
- スマホ申告(e-Tax)ができる環境が整っているか?
改正内容が多岐にわたるため、直前に慌てると「受けられるはずの控除」を逃してしまう可能性があります。特に今回の大幅な控除額アップは、物価高に苦しむ家計にとって大きな助けとなるはずです。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としています。個別の事案や詳細については、必ず国税庁のホームページを確認するか、お近くの税務署、または税理士等の専門家にご相談ください。
(広報担当)