スマートフォンを取り出さなくても、眼鏡をかけるだけで情報にアクセスできる。そんな「スマートグラス」が、2026年現在、日常の道具として急速に現実味を帯びてきた。MetaやApple、Google、Samsungといった世界的なテクノロジー企業が相次いで製品を投入しており、「次の個人デバイス」として注目が集まっている。今回は各社の動向を整理しながら、スマートグラスで実際に何ができるのかをまとめてみた。
スマートグラスには大きく2種類ある
現在市場に出回っているスマートグラスは、機能の違いで2タイプに分かれる。
① カメラ+スピーカー型
- 写真・動画をハンズフリーで撮影できる
- AIアシスタントに話しかけて検索・翻訳ができる
- 音楽再生や通話が耳元で完結する
- 見た目はほぼ普通の眼鏡と変わらない
② AR(拡張現実)ディスプレイ型
- レンズ上に半透明のディスプレイが重なり、視界に情報が浮かぶ
- ナビゲーション・翻訳テキスト・通知などが視野内に表示される
- 視線やジェスチャーで操作できる
各社の製品、それぞれの特徴
Meta × Ray-Ban Smart Glasses
Metaがファッションブランド「Ray-Ban」と共同開発したシリーズは、スマートグラスの”大衆化”を最も前進させた製品だ。外見はほぼ普通のサングラスで、内蔵AIに話しかけるだけで目の前の風景を説明させたり、リアルタイムで翻訳させたりできる。価格は3〜4万円台と比較的手が届きやすく、若い世代を中心に広まっている。
Apple Vision Pro
Appleが2024年に発売した製品は、AR・VRを融合した「空間コンピュータ」と呼ばれる大型デバイス。映像の没入感やUIの洗練度は群を抜くが、重量・価格(約60万円〜)の面でまだ一般消費者向けとは言いにくい。現時点ではクリエイターや開発者のツールという位置づけが強い。
Google / Samsungの新世代AR眼鏡
Googleはかつて2013年に「Google Glass」を発売したが、デザインへの違和感やプライバシー問題で撤退した経緯がある。2026年現在は「Android XR」プラットフォームをベースに、Samsungと組んで再び本格参入を進めている。今回の再登場が前回と根本的に違うのは、AIの実用性が格段に上がっている点だ。カメラが見たものをリアルタイムで解析し、料理の成分を読み上げたり、外国語のメニューを瞬時に日本語化したりといった機能が現実的になっている。
まだある課題——バッテリーと「見た目」
スマートグラス普及の最大の壁は、長らく「バッテリーの短さ」と「見た目の違和感」だった。現行の多くの製品はバッテリーが2〜4時間程度にとどまり、終日の外出には不安が残る。ARディスプレイ型はフレームの厚みや重さが、普段使いの眼鏡とはまだ少し距離を感じさせる。
ただし、この1〜2年で軽量化・薄型化のスピードは目に見えて速くなっている。「普通の眼鏡と見分けがつかないARグラス」は2026年中の実用化が視野に入っており、各社の競争は今まさに佳境だ。
スマートフォンの「次」を担う存在として
スマートグラスはまだスマートフォンの完全な代替ではない。しかし、手が塞がっていても情報にアクセスできる体験や、「視界そのものがインターフェースになる」感覚は、スマートフォンにはない独自の価値だと感じる。
現時点で最も試しやすい入口は、MetaのRay-Banシリーズのようなカメラ・音声型だ。見た目の違和感が少なく、価格も現実的で、日常の中でスマートグラスの便利さを実感できる。一度手に取る機会があれば、ぜひ体験してみてほしい。
(広報担当)